漢(おとこ)は女よりも野望(ゆめ)を選び、女は幸福よりも漢を追い求めた──!! 明治中期、一緒に脱獄した2人の青年加納周助と風間一太郎は、時にはそれぞれの野望をめぐり、時には1人の女を求めて、歴史の奔流の中を翔け抜けた!!アイヌに助けられ、開拓農徳弘正輝の元に身を寄せていた加納は、旅の武術家武田惣角の弟子となったのが縁で札幌で開かれた大演武会に出場した。大会での活躍が認められ、朝鮮から亡命中の革命家金玉均の護衛となった加納は、そのお供をして東京へと向かった。一方、野心家風間は、財部数馬と名を変えて密かに上京し、時の実力者で農商務大臣の陸奥宗光に仕えていた。運命は再び2人を引き合わせることになるが、それは、日本が戦争へと歩み出す、嵐の時代への予兆でもあった──!!